体の力が抜けない原因|浦和の理学療法士が3タイプで解説

気づくと肩がすくんでいる。パソコンに向かうと歯を食いしばっている。休みの日でも体の力が抜けない。そんな感覚が続くと、疲れが取れず、身体が重いまま一日が終わります。この記事では、力みを3つのタイプに切り分ける方法と、力を外すための具体的な手順をお伝えします。「脱力して」と言われても抜けなかった方に向けて、理学療法士の視点から解説します。

目次

その力み、抜き方の問題ではありません

力が抜けない方の多くは、抜き方を忘れたわけではありません。抜けない条件が身体の中にそろっているだけです。まずは、どこに力が入っているのかを知るところから始めます。

無意識に力が入っている場所

今この瞬間、次の4か所を確認してみてください。自分では気づいていないことがほとんどです。

  • :耳と肩の距離が近くなっていませんか
  • :上下の歯が触れていませんか
  • :マウスや箸を必要以上に握っていませんか
  • 足の指:靴の中で指が縮こまっていませんか

安静時、上下の歯は触れていないのが本来の状態です。触れているだけで、顎の筋肉はごく弱い力で働き続けます。足の指も同じです。縮こまったままだと、ふくらはぎまで硬さが連なります。

「脱力して」が効かない理由

脱力という指令は、脳から見ると少し特殊です。「力を入れる」には筋肉へ送る信号を強めればよい。一方「力を抜く」は、信号を止めるだけでは足りません。すでに入っている緊張を下げるには、別の動きを起こす必要があります。ここが、意識だけでは力みが外れない理由です。

力が抜けない3つのタイプ

ひとくちに力みといっても、成り立ちは3つに分かれます。タイプが違えば、有効な手も変わります。まず自分がどれに近いかを見てください。

タイプ当てはまる感覚身体で起きていること有効な手
①共収縮タイプ慣れない動作や急ぐ場面でだけ固まる動かす筋肉と、止める筋肉が同時に働いている動きを遅く・小さく練習する
②代償タイプ同じ場所ばかりが張る。左右差がある動かない関節のぶんを、別の場所が固めて肩代わりしている動く場所を増やす
③持続タイプ寝ても休日でも抜けない。24時間続く休息へ切り替わりにくい状態が続いている力み単独では変わりにくい

①と②は身体の使い方で変化が出やすい領域です。③に心当たりのある方は、寝ても疲れが取れない3つの原因を先にお読みください。疲れを3種類に切り分けて解説しています。

①共収縮タイプ

共収縮(きょうしゅうしゅく)とは、反対の働きをする筋肉が同時に働くことです。肘を曲げる筋肉と伸ばす筋肉が、両方いっぺんに力むイメージです。初めての動作、失敗したくない場面、急いでいるときに強く出ます。関節を固めて安全を確保する仕組みなので、身体としては正しい反応です。

問題は、慣れたはずの動作にまで残る場合です。歩く、立ち上がる、キーボードを打つ。ここで共収縮が続くと、不要な筋肉まで一日中働きます。

②代償タイプ

身体はつながって動きます。どこか1か所が動かないと、その動きを別の場所が引き受けます。これを代償(だいしょう)といいます。たとえば胸の背骨が回らない方は、腕を後ろへ回すときに肩をすくめて補います。肩がすくむのは肩のせいではなく、胸の背骨が動かないためです。

このタイプは左右差が出やすいのが特徴です。カバンを持つ側、噛む側、利き手。片側だけ張る方は、まず代償を疑ってください。ほぐしても数日で戻る場合、肩代わりの構図が残ったままです。

③持続タイプ

場面に関係なく、朝も夜も力が入っている状態です。横になっても抜けない、休日も肩が上がったまま。この場合、身体の使い方だけを変えても手応えは限られます。睡眠・呼吸・活動量まで含めて組み立て直す必要があります。

力みを放置すると起きること

同じ場所だけが疲れます

力が入り続けた筋肉は、血流が滞りやすくなります。弱い力でも、休みなく働けば疲労は溜まります。夕方に肩や首の張りが強くなる方は、この積み重ねです。詳しくはデスクワークの疲労回復|3つの時間帯で整理しています。

動きが小さくなり、疲れやすくなります

固めた状態が続くと、関節を動かせる範囲が狭まります。狭くなれば、同じ動作に余計な力が要ります。力むから動かなくなり、動かないからさらに力む。この往復が疲れやすさの土台です。首の張りから頭が重くなる方は肩こりからくる頭痛と運動の関係もご覧ください。

理学療法士の視点|力は動きでしか抜けません

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。世の中の力み対策は「ゆるめる」に集中しています。しかし運動学から見ると、緊張は反対の動きによって下がります。

相反抑制:反対を動かすとゆるみます

相反抑制(そうはんよくせい)という仕組みがあります。ある筋肉が働くとき、反対の働きをする筋肉には「力を抜きなさい」という信号が届く、という神経のはたらきです。肘を曲げれば、伸ばす側は自動的にゆるみます。身体には、もともと力を抜くための回路が備わっています。

つまり肩のすくみを外したいなら、肩を「抜こう」とするより肩を下げる動きを実際に起こすほうが速いということです。下げる筋肉が働けば、上げる筋肉はゆるみます。念じるのではなく、反対方向へ動かす。これが力を外す最短の道筋です。

共収縮:慣れない動きほど固まります

新しい動作を覚えるとき、人は最初に関節を固めます。ぐらつきを消すためです。練習を重ねると固める量が減り、必要な筋肉だけが働くようになります。運動が苦手だと感じている方ほど、この段階で止まっていることが多くあります。

ここから読み取れることは1つです。力みを減らしたいなら、強い運動より、正確でゆっくりな運動が要ります。重さを増やすほど固める量は増えます。逆に、動きを遅くし、範囲を小さくし、丁寧に繰り返すと、余計な筋肉が抜けていきます。

筋弛緩法が効きにくい人がいます

「思い切り力を入れて、一気に抜く」筋弛緩法(きんしかんほう)は広く紹介されています。入れた状態と抜けた状態の差を感じ取る練習で、有効な方も多くいらっしゃいます。

ただし、もともと力が入りっぱなしの方には差が出にくい、という弱点があります。抜いた側の水準がすでに高いためです。試してみて手応えがなかった方は、向いていないのではありません。「抜く」ではなく「反対を動かす」に切り替える段階にいるだけです。整体などで一度ゆるめた身体を、その後どう扱うかについては整体とジムどっち?肩こりが戻らない順番で解説しています。

部位別・力の外し方4つ

相反抑制を使った実践です。いずれも痛みのない範囲で、ゆっくり行ってください。1回20〜30秒で足ります。

肩:すくみは「下げる」で外します

肩を上げるのではなく、脇の下から肩甲骨を斜め下へ滑らせる意識で動かします。手のひらを下に向け、指先を床方向へ伸ばすと入りやすくなります。5秒かけて下げ、5秒かけて戻す。これを3回。肩甲骨まわりの動きについては肩甲骨はがしが戻る理由で詳しく扱っています。

顎:舌の位置を変えます

舌先を上の前歯の少し後ろ、口の天井にあたる部分へ軽く付けます。そのまま上下の歯を2〜3mm離します。噛みしめる筋肉と、口を開ける動きは反対の関係にあります。舌を上に置くと顎が下がる位置に落ち着き、噛みしめが起こりにくくなります。パソコン作業中に1時間に1度、思い出したときで構いません。

手:握りを「開く」方向へ

指を握る筋肉は前腕の内側、開く筋肉は外側にあります。マウスを握り続けると内側だけが働きます。手を軽く広げ、指を全部そらす方向へ5秒。外側が働けば内側はゆるみます。前腕の張りは肘や肩へ連なるため、手元だけの問題にしないでください。

足:体重の位置を戻します

足の指が縮こまる方は、体重が前へ寄っています。立った状態で、かかと寄りへ体重をわずかに移してください。次に足の指を5本とも持ち上げます。持ち上げる筋肉が働けば、縮める筋肉はゆるみます。ふくらはぎの張りが強い方ほど、変化を感じやすい場所です。

セルフケアの限界と受診のサイン

自分では気づけない力みがあります

力みの厄介な点は、本人の感覚が当てにならないところです。入りっぱなしの期間が長いほど、それが基準になります。「抜けている」と感じていても、他者から見ると入ったまま。特に代償タイプは、どの関節が動いていないかを自分では判定できません。

まず医療機関にご相談いただきたい場合

次に当てはまる場合は、運動より先に整形外科や内科などの受診をご検討ください。当店は医療機関ではなく、診断や治療は行えません。

  • 手足のしびれ、感覚の鈍さ、力が入りにくい感じがある
  • 安静にしていても強い痛みが続く、夜間に痛みで目が覚める
  • 自分の意思と関係なく筋肉がこわばる、突っ張る
  • 気分の落ち込みや不眠が続き、日常生活に支障が出ている

LIMITED浦和店での進め方

初回評価で必ず見る3つのポイント

  • 胸の背骨の回旋:座って上半身をひねり、左右差を見ます。ここが動かないと肩がすくみで補います
  • 肩甲骨を下げる動き:自分で下げられるか、下げたつもりで他が動いていないかを確認します
  • 仰向けでの接地:横になったとき、肩や腰が浮かず床に預けられるかを見ます

この3つで、どのタイプが主なのかを切り分けます。切り分けができれば、やることは絞れます。当店では整体で動く範囲を広げ、その範囲をトレーニングで定着させる順番をとります。ゆるめるだけ、鍛えるだけでは力みが戻りやすいためです。

国家資格者が直接マンツーマンで指導します

力みを減らす運動は、重さや回数ではなく正確さが結果を分けます。どこに力が入っているかは、その場で見て触れて初めて分かります。LIMITED浦和店では、国家資格を持つ理学療法士兼パーソナルトレーナーが監修だけでなく直接指導します。見分け方は理学療法士のいるジムの選び方にまとめました。

よくある質問

Q. マッサージで楽になるのに、すぐ戻るのはなぜですか?

外から圧を加えると筋肉の緊張は一時的に下がります。ただし力みの理由が動きの側にある場合、日常へ戻れば同じ使い方が再開します。②代償タイプの方に多い現象です。楽になった直後は動きの範囲が広がっているので、その状態で反対方向へ動かす練習を挟むと、戻り方がゆるやかになりやすくなります。

Q. 筋トレをすると、余計に力みが強くなりませんか?

強い負荷で固めながら挙げる運動は、共収縮を増やす方向に働きます。一方、軽い負荷で範囲を丁寧に使う運動は、余計な筋肉を抜く練習になります。同じ「筋トレ」でも中身が正反対です。力みでお困りの方には、後者から始めていただいています。

Q. どのくらいで変化を感じますか?

個人差が大きく、お約束はできません。傾向として、肩や顎など自分で気づける部位はその場で違いが出やすく、代償の組み替えには数週間かかります。3週間続けて何も変わらなければ、見立てそのものを変える必要があります。

まとめ

体の力が抜けないとき、必要なのは「抜こうとする意志」ではなく、反対の動きです。まず①共収縮・②代償・③持続の3タイプに切り分けてください。①なら遅く小さく、②なら動く場所を増やす、③なら睡眠と活動量から。肩・顎・手・足の4か所は今日から動かせます。

力みは意志の弱さではなく、身体の条件です。条件が変われば、抜ける身体に近づけます。眠りもあわせて気になる方は睡眠の質を上げる運動をご覧ください。浦和のパーソナルジムLIMITED浦和店では、どのタイプの力みかを評価したうえで進め方を決めます。ご自身では判断しにくい部分です。体験トレーニングで今の状態を確認するところから始めてみてください。

体験トレーニングのご案内

LIMITED浦和店では、国家資格を持つ理学療法士があなたの身体を直接評価し、整体とトレーニングを組み合わせて不調の根本改善をサポートします。JR浦和駅から徒歩5分・専用駐車場あり。運動が苦手な方も歓迎です。

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お電話でのお問い合わせ:080-1216-7723(営業 9:00〜21:00・不定休)
※体験にお越しいただいても、無理にご契約いただくことはありません。

執筆・監修:LIMITED総代表 飯塚勇人(理学療法士)

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